伝統を受け継ぐ

音楽室前の廊下、ロビーの清掃風景。
3年生が、黒ずんだ床の汚れを毎日磨いてくれている。
少しずつ白くなっていく床。
ここは昨年卒業した3年生が、奉仕活動で磨き始めた場所だった。

卒業式当日の朝も、卒業する3年生の男子生徒がたった一人、この床を磨いていた。
声をかけると、
「最後までやりきれず、ごめんなさい。
後輩に迷惑をかけてしまうので、少しでもきれいにしておきたくて…」
と彼は話した。

その床の汚れを残された附中生が毎日磨いている。
小さなスポンジでコツコツと磨き続ける。
時に掃除の時間を過ぎても夢中になって磨いていることもある。

彼が見ていてくれたら嬉しい。
あなたが残した思いは、後輩に受け継がれていますよ。
いつか、真っ白になった床を見に来てくださいね。