報告㉛ 保健体育科 授業紹介動画(愛知県立岡崎商業高等学校との連携)

 

本校の保健体育科と、岡崎商業高等学校情報会計科が連携し、ベースボール型球技「BASEBALL5」の紹介動画を作成しました。

岡崎商業高等学校情報会計科では、3年生の課題研究として、さまざまな企業、団体と連携し、その紹介動画などを作成されています。その一環として、本校保健体育科が9月の生活教育研究協議会で行った「BASEBALL5」という種目の授業紹介動画を作成していただきました。

BASEBALL5は、ベースボール型球技の導入としてとても魅力あふれる種目です。小学校や中学校でよくある、ベースボール型はルールの理解が難しい、技能の差が激しいといった課題を解消しながらも、ベースボール型の魅力にふれることができます。

詳しい授業の様子、ルールなどは下記の動画をご覧ください。

子どもが志をもって夢中になれる授業を、今後も考えていきたいと思います。

 

愛知教育大学附属岡崎中学校連携 新種目「BASEBALL5」紹介 作品 愛知県立岡崎商業高等学校 情報会計科 3年課題研究 「情報発信をビジネスにつなげよう!」講座

https://youtu.be/MxQGtAlrnkk

(文責:1年保健体育科担当 佐野)

 

 

報告㉚ 1年英語科 The Source of Charmsの実践

2月28日、英語科の研究授業を行いました。

子どもは、外国人観光客が愛知県にあまり来ていない現状を知り、「外国人観光客にもっと愛知に来てほしい」という思いをもって、どうすればよいかを考えてきました。そして、愛知県の魅力が十分に伝わっていないことから、「愛知のどのような魅力を外国人に発信していくべきだろうか」という問題を見いだしました。

問題を見いだした子どもは、インターネットを使って調べたり、外国人への取材を行ったりしながら、追究を進めてきました。本時では、外国のかたをお招きして自分たちが追究したことを伝え、フィードバックをいただく中で、今後自分たちがどのように魅力を発信していくかを決める授業でした。

外国のかたとの交流のあとの、意見交流では、

「歴史と自然を楽しみつつ、ゆっくりとした時間を送ることを売りにして伝えるべきだ」

「愛知の城独自の歴史、城の周りの自然、その城でしかできない体験を伝えるべきだ」

「すでに有名なものを発信するのではなく、自分たちで調べた№1を伝えるべきだ」

など、さまざまな意見が飛び交いました。

 

この意見交流のあと、一人一人が今後どうすべきかという志をもち、どのようなことを発信していくのかを明確にした姿がありました。1Cのみなさんが、どのような内容を外国のかたへ伝えていくのか楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉙ 1年理科 力が生み出す奇跡 ~Road to 80m~の実践 PARTⅡ

2月17日、これまで追究してきたペットボトルロケットの飛距離を競う学級対抗ペットボトルロケット大会を行いました。

子どもは、「機体にかかる力を考え、アーチ状の軌道をとれるようにするにはどうしたらよいか」という問題を共有し、これまで追究を続けてきました。その中で、重心の取り方や羽のつけ方一つで飛行軌道が大きく変わり、飛距離が伸びることに気づきました。そこから、羽の枚数や大きさ、機体に取り付ける角度や、重心の位置についての追究を重ねてきました。行き詰ったときには、仲間の機体を見て、「何で羽は3枚なの?」「おもりは何gにした?」などと追究データを自主的に交流し、新たな視点を得て、そこからまた追究に没頭していました。

大会前日には、「材料を家に持って帰ってやってきてもいいですか?」、「明日の朝、最終調整したいので理科室を使わせてもらえませんか?」と聞きにくる子が何人もいました。興味をもったことはとことんやる附中生の志が見られ、嬉しかったです。

大会では、ベスト記録を出せた子もそうでない子もありました。しかし、同じクラスの仲間が一気に飛距離を伸ばすと、自分のことのように喜んでいる姿がありました。時間内にできるだけ多く飛ばそうと、発射準備や計測を助け合う姿も見られました。みんなが、これまで自分でこだわり抜いて追究し、そこから仲間の視点も踏まえて再度考えたりしたからこその行動する姿でした。

この単元で、きっと目に見えない力の影響を実感することができたと思います。また、こんなふうに何度も実験を繰り返して、電車や飛行機などが作られていることも知ることができたと思います。これまで、あたりまえだと思っていたものも、実際に学んだことをもとに見ると、その有用性がよくわかると思います。これからも身のまわりのあたりまえを、理科でまなんだことをもとに見つめ直してみてください。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉘ 1年国語科 三分後に意外な結末!?の実践

2月16日、国語科の研究授業を行いました。

子どもは、ショートショートの創作をする中で、自分の伝えたいことがうまく伝わらない困り感から、「読み手を惹きつけるショートショートにするにはどうすればよいのだろうか」という問題を見いだしました(本単元で扱ったショートショートとは、「新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末」の三原則が盛り込まれた超短編小説のことです)。

問題を見いだした子どもは、何とか読み手を惹きつけるショートショートにしようと、創作して仲間と読み合って修正をしたり、作家のショートショートを読んでポイントを探したりとさまざまな方法で追究を行ってきました。本時では、追究したことを仲間と交流しました。

オチへのつなぎ方、読者をミスリードさせる展開、伏線の張り方など、さまざまな視点から自分が追究したことを語り合っていました。仲間の意見をもとに、自分の作品を読み返し、それぞれどうすべきかが見えてきたようです。ここから、完成に向けて、更に創作をしていくようです。完成した作品を読むのが楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉗ 1年保健体育 四人一心~キンボール~ の実践

2月15日は保健体育の研究授業を行いました。

ゲームを進めていく中で、子どもは、さまざまな状況で得点を取ることができるが、「意図的に得点を取るためにはどうすればよいか」という問題を見いだしました。本時では、これまでチームで考えてきたことや、一人一人が作成した作戦レポートをもとに意見交流を行いました。

「相手が準備する前にスムーズに攻撃に移る必要がある」

「相手を混乱させるためにフェイントを使うことが有効だ」

「状況を伝え合うために、お互いに声をかけ合うことが大切だ」

など、さまざまな考えが出ました。

そして、学級全体で、「相手の意表をつく攻撃をすること」「チーム内で声をかけ合うことの大切さ」を共有しました。

この後、他クラスとの交流戦を行います。これまでの追究の成果を発揮し、試合に勝つことができるのか。交流戦当日が楽しみです。

(文責:1年保健体育科担当 佐野)

 

 

報告㉖  2年数学 幸福の確率 の実践

2月14日に数学の研究授業を行いました。

子どもは、調べたカジノゲームの役の出やすさを共有しました。しかし、どの役を試しても、なかなかマネーを増やすことができなかったという思いが語られました。同じ役に賭けつづけてマネーの変遷を調べた結果や確率を計算した結果などが共有されました。そして、確率と配当を掛け合わせた、役の期待値で比べるという考え方が語られました。

やはり期待値をもとにすると、どの役もマネーを増やすことができないことがわかりました。

マネーを増やすためには、役の組み合わせ、賭けるマネーの枚数、プレイする回数など様々な要因を工夫する必要があり、「有効なマネーの賭け方や役の組み合わせをもとにマネーを増やせないだろうか」という問題が共有されました。

(文責:2年数学科担当 岡田)

 

 

報告㉕ 2年理科 静電気をやっつけろ の実践

2月14日は理科の研究授業を行いました。

子どもは、静電気への困り感から、「静電気を防ぐためにはどうすればよいだろうか」という問題を見いだしました。ここまで、さまざまな方法で静電気を防ぐ方法を追究してきたことの意見交流の授業でした。

「ハンドクリームで保湿する」

「絶縁体であるゴム手袋をつける」

「木や布などに触って、あらかじめ放電しておく」

など、さまざまな意見が出ました。この意見交流で、静電気は人間に帯電した電子の流れということはイメージできたと思います。

実生活に用いるには、いったいどの方法がよいのでしょうか?今回の追究を経て、それぞれの子が、自分の最適解を導き出し、実生活に生かせるとよいと思います。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉔ 2年技術・家庭科(家庭分野) 芽生え(子どもの成長)の実践

2月13日、技術・家庭科(家庭分野)の研究授業を行いました。

 

子どもは、ジェンダーについて追究する中で「真のジェンダーフリーとは何か」という問題を見いだしました。本時は、ジェンダー感について、仲間との対話をとおして新たな視点を得るために、自由に交流する授業でした。

これまでは追究してきた後の意見交流を公開することが多かったですが、この日は追究場面を公開するということで、職員にとって提案性のある研究授業でした。

ジェンダー感には、さまざまな考えがあるので、「これが正解」というものはなく、伝えにくい部分もあるかもしれません。しかし、2Cの子は、自分の考えを仲間に楽しそうに伝えていました。こういうことが、遠慮なく素直に伝え合える空気が素敵だなと思いました。

まだまだ追究は続きます。これから、ジェンダーについて追究していく中で、附中生はきっとジェンダーへの理解を深めていきます。これからの追究が楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉓ 1年技術・家庭科(技術分野) 命をつなぐ水 act2の実践

2月9日、技術・家庭科(技術分野)の研究授業を行いました。

この単元では、「アクアポニックス」を教材として用いています。アクアポニックスは、植物の栽培と魚の養殖技術を組み合わせた新しい生物育成技術です。このアクアポニックスを用い、2学期から魚の育成を行っている子どもは、現在気になっていることを共有し、そこから「アクアポニックスに最適な光プログラムにするにはどうすればよいか」という問題を見いだしました。

本時は、ここまで追究してきたことを交流し、自分の最適解に迫っていく授業でした。

自分が考えた最適なプログラムについての意見が語り合われる中で、子どもは、自分の考えに、他者の視点にも目を向けながら、再度考え、自分の考えを更新していました。

それぞれの子どもが今回の意見交流で、自分が考える最適な光プログラムが何かを導き出せたはずです。それを使って、よりよいアクアポニックスができるとよいと思います。今後、どのようなプログラムを組み込んだアクアポニックスとなっていくか楽しみです。

(研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉒ 1年理科 力が生み出す奇跡 ~Road to 80m~の実践

3学期も附中の研究は止まりません。2月7日は、1年理科で授業公開を行いました。

 

子どもは、学年ペットボトルロケット大会に向けて、飛距離を伸ばそうとここまで取り組んできました。今回のルールは燃料タンクとなるペットボトルは500mL、加えてよい空気の圧力の上限は指定あり、です。試行錯誤しながら追究を進め、40m程度までは距離が伸びましたが、その後はなかなか距離が伸びずにいました。そこで、「1B作戦会議」と称した意見交流を行いました。

授業の中で、「重心の位置」、「羽による揚力」「空気抵抗」など、中1とは思えないレベルの発言で、現状の課題を解決するためのさまざまなポイントが出されました。

最終的には、「機体にかかる力を考え、アーチ状の軌道(1Bの子はマウナロア火山のような軌道と言っていました。火山の学習が生きていますね)をとれるようにするにはどうしたらよいか」という問題を共有しました。

この後、上昇して急降下してしまう現在の軌道をどのような工夫で修正していくか。今後の追究が楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告㉑ 第51回生活教育研究協議会

9月27日(火)に第51回生活教育研究協議会を実施しました。

17の授業を公開し、大勢の先生方に授業を見ていただきました。3年ぶりの対面開催ということもあり、始めは緊張した子どもの姿がありましたが、自分の考えを語ったり、仲間の考えを聞いたりする中で、徐々に緊張もほぐれ、附中生らしく熱く議論する場面も見られました。

授業後には、教科別協議会を行いました。授業での子どもの姿から、本研究についてのご意見を多くいただくことができました。本日いただいたご意見をもとに、研究3年次の来年度に向け、後期に何をすべきかを考え、動き出そうと思います。

お忙しい中にもかかわらず、参加していただいた先生方。本当にありがとうございました。

(研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑳ 技術・家庭科、美術科、保健体育科、音楽科の実践

研究授業4日目。13日(火)には、技術・家庭科、美術科、音楽科、保健体育科が共同研究者、研究協力者をお招きしての校内授業研究会を行いました。

この日は、

1年技術・家庭科(技術分野)「命をつなぐ水(生物育成の技術)」

2年技術・家庭科(家庭分野)「FOOD HUNTER X(衣食住の生活)」

2年美術科「岡崎魅力発信プロジェクト(デザイン)」

3年音楽科「鍵盤ハーモニカアンサンブル(器楽)」

1年保健体育科「Step Forward(球技・ベースボール型)」

3年保健体育科「する・見る・支える・知る・“つくる”(体育理論/体つくり運動)」

の6つの授業を公開しました。

1年技術・家庭科(技術分野)では、植物と魚を同時に育てるアクアポニックスに興味をもち、「アクアポニックスにはどのような特徴があるか」というテーマで意見交流を行っていました。これまで調べたことをもとに一生懸命、仲間に伝えようとする姿が見られました。

1年保健体育科では、「BASEBALL5」という競技を元気いっぱい行っていました。その後の意見交流では、どうすれば勝てるのかをこれまでの実践の経験をもとに語る姿が見られました。子どもは、どこに着目して、今後の追究を進めることにしたのでしょうか。BASEBALL5を今後、更に突き詰めていく姿を楽しみにしています。

9月27日の第51回生活教育研究協議会前の研究授業はこの日が最後です。今後、子どもがどう追究を進めていくのか。ぜひ、9月27日に本校の研究会に参加して、追究を突き進めた子どもの姿をご覧ください。

(研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑲ 国語科、理科の実践

研究授業3日目。9日(金)には、国語科と理科が共同研究者、研究協力者をお招きしての校内授業研究会を行いました。

この日は、

1年国語科「じいちゃんが遺したもの(短編小説)」

2年国語科「現実と向き合う(短編小説)」

3年国語科「笑顔を映し出す(映像制作)」

2年理科 「空間から広がる世界(電流とその利用)」

3年理科 「新たなる輝きを(水溶液とイオン)」

の5つの授業を公開しました。

2年理科では、「浮上して進むリニアモーターカーを作るにはどうしたらよいだろうか」というテーマで意見交流を行いました。自分たちがやってきたことをもとに、今後何に着目して自作リニアの作成に臨んでいくかを共有していました。

3年理科では、記念メダルを作るために、「めっきの仕組み」についての意見交流が行われました。動めっきの仕組みを利用して、今後は金めっきをするにはどうしたらよいかという問題を共有したようです。

3年国語科では、現在取り組んでいる映像作成の中間報告会を行っていました。先生と子どもが一つになって、最高の作品を作るための着目点を話し合う姿が印象的でした。

9月13日(火)には、保健体育、技術、家庭、音楽、美術が公開授業を行います。それぞれの授業で、どんな問題が共有されていくか、そしてその問題の解決に向けて、更に熱くなって追究を進めていく附中生の姿を楽しみにしています。

(研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑱ 英語科の実践

 

研究授業2日目。8日(木)には、英語科が共同研究者、研究協力者をお招きしての校内授業研究会を行いました。

この日は、

1年「Be the Change(My Opinion)」

3年「Proud of Japan(Japan in the World)」

の2つの授業を公開しました。

どちらの授業もオールイングリッシュで行われました。

1年生はまだまだ英語に慣れていない様子でしたが、「日本人は外国の人とどのように関わっているのだろうか」について、自分が調べたり、取材したりしたことを一生懸命英語で伝えようとする姿が見られました。

3年生は、「外国の人は日本の接客サービスをどのように感じているのだろうか」について、身振り手振りも使いながら流暢な英語で、仲間に伝えていました。三年間の積み重ねの大きさを感じました。

どちらの授業も、この意見交流をとおして、学級で今後追究すべき問題を共有し、今後更なる追究に進んでいくと思います。本校の英語科が目ざす躍動「世界とのつながりを実感し、国際的視野で世界を創り上げようとする」姿に迫っていけるよう、中学校3年間の学びを進めてほしいと思います。

(研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑰ 2学期の研究授業がスタートしました

本校では、9月27日(火)に第51回生活教育研究協議会を開催する予定です(詳しくはこちら)。現在、申し込み受付中です。実践のページを見て、興味をもたれた先生方は、ぜひ9月27日に授業の実際を見に来てください。

2学期の追究単元が各クラスで始まっています。7日(水)には、共同研究者、研究協力者をお招きしての2学期初の授業研究会を行いました。2学期のトップバッターは、社会科と数学科です。

この日は、

1年社会科「実現 カーボンニュートラル(世界の諸地域)」

3年社会科「Web3×Okazaki(地方自治と私たち)」

1年数学科「美しい回転を求めて(平面図形)」

2年数学科「附中生活の最適化(箱ひげ図とデータの活用)」

の4つのクラスで公開を行いました。

 

1年社会科の授業では、調べてきたことを仲間に話したくてしょうがないという雰囲気がありました。教員が「時間だからここまでね」と言っても、「これだけ言わせて」と言いながら挙手をするなど子どもの勢いがありました。

1年数学科の授業では、机上にたくさんのコマが置いてありました。きっとここまで試行錯誤してきた成果でしょうね。実物投影機を使って、自分のコマについて熱く語る姿も素敵でした。

9月8日(木)には英語科の公開が行われます。子どもがどのような姿を見せてくれるか楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑯ 3年保健体育科 Assemble an attack!!バドミントン(球技・ネット型)の実践

子どもは、バドミントンダブルスのゲームにおいて、どうすれば狙いどおりの得点をすることができるか追究を進めてきました。本時は、これまで共有してきたことを確認した後、ゲームを行う中で、狙いどおりの得点をするための動きを考えました。

本単元では、子どもどうしのかかわりを生み出すため、毎時間ペアを変え、共有タイムで作戦を立てながら実践を進めてきました。また、ゲームの合間には、共有ボードを使い、狙いどおりの得点をする方法を何度も話し合いながら、次のゲームに臨んできました。

初めてペアを組むにもかかわらず、声を掛け合って、ゲームを行う姿が印象的でした。この実践をとおして、バドミントンの楽しさや奥深さを味わっただけでなく、声掛けやペアで話し合って考える大切さを実感することができたと思います。

 

1学期の実践紹介は今回で終わります。今年度は研究2年次ということで、どうしたら目ざす子どもの姿に迫れるかを全職員で考えてきました。まだ課題もありますが、9月27日に行われる生活教育研究協議会で、志を生み出す子どもの姿を見せられればと思います、参加の申し込みは8月22日くらいから始める予定です。たくさんの先生方のお申し込みをお待ちしています。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑮ 3年英語科 Beyond Culture(Living Together)の実践

子どもは、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化に出会い、調べを進める中で、「異文化間コミュニケーションにおいて、どうすればよりよいコミュニケーションがとれるだろうか」という問題を共有し、追究してきました。本時は、その問題についての意見交流を行いました。

本時の授業は、ゲストティーチャーを4名お招きし、グループ交流形式で進めていきました。各グループにはファシリテーターを配置し、意見交流が深まるような工夫がなされていました。

グループ交流では、自分が追究してきた内容について、身振り手振りを交えながら英語を使ってゲストティーチャーに伝えていました。ゲストティーチャーからの質問にもしっかりと受け答えをしていました。

本時の授業を終えて、子どもは、どちらかの文化に寄せなくてはいけないのではなく、互いを理解し合おうとする思いをもつことが大事だと考えたようです。

この時間、オールイングリッシュで授業が行われました。附中の意見交流では、1年生から基本的にはオールイングリッシュで授業が行われます。3年生はゲストティーチャーにも臆せず堂々と英語で受け答えをしていました。さらには、そのコミュニケーションを楽しむ様子も見られました。これが3年間の積み重ねですね。これらの経験を積んだ附中の卒業生が、今後グローバル化がどんどん進む社会の中で躍動してほしいと思います。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑭ 1年数学科 アートに潜む美(文字の式)の実践

子どもは、「50段のピラミッドタワーを作るためには、棒が何本必要だろうか」という思いをもって、模型を作りながら、本数の規則性を見いだそうと試行錯誤してきました。

本時は、個人追究をもとに必要な棒の本数を求める方法を意見交流で共有しました。

「1段増えるごとに本数は~本増えるから、50段なら~」

「柱と土台を別に考えると、総数を求めることができた」

「1つの段の本数は2n(n+1)+4n²で求めることができる」

など、規則性や文字の式を用いた方法を語り合っていました。模型を作成しながら、このように規則性を発見できるのかと感心させられました。

ただ公式を覚えるのではなく、こうして自分の力で見つけた公式はきっと忘れずに活用していけることでしょう。必要な本数の求め方を見つけた子どもは、もっと簡単に求める方法を探っていくようです。この後、50段のタワーを完成させるのが楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑬ 2年数学科 ぴったり倒せ!ドミノでピタゴラスイッチ

                                                                  (連立方程式、一次関数)の実践

子どもは、「ドミノが狙った時間ぴったりに倒れるようにしたい」という思いをもって、ドミノが倒れる時間を測定する実験を行ってきました。

本時は、これまで個人で行ってきた実験による成果や気づきを共有するための作戦会議を行いました。

子どもはドミノの個数と間隔、倒れたタイムの測定値を語り合っていきました。

その中で、自分や仲間のデータから、ドミノの個数と倒れるタイムの間には、比例関係が成り立っていそうだということを共有しました。

比例関係を利用して、単元のはじめにもった「狙った時間ぴったりに倒したい」という思いは叶えることができるのでしょうか。今後の新たな発見を楽しみにしています。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑫ 3年理科 Super jump up ball(運動とエネルギー)の実践

子どもは、玉の跳ね返りを利用して、「球を落下させるだけ(運動エネルギーを加えずに)で、もとの高さより高く跳ね上がらせるのか」という思いをもって、試行錯誤してきました。

前時の感想交流では、玉を2つ縦に並べて落とすと、地面に当たった瞬間に上の玉が大きく跳ね上がったという意見が出て、2つ使えばよいことを共有したものの、「なぜ2つの玉を使うと、より跳ね上がるのか」という疑問をもちました。本時では、その疑問についての意見交流を行いました。

「作用・反作用がはたらくからではないか」

「下の玉が跳ね上がったときに、上の玉に当たって跳ね上がるのではないか」

「下の玉のもつエネルギーが上の玉に伝わったのではないか」

などの意見が出ました。エネルギーに着目した子どもが、図を用いて説明すると、「おー」「そういうことか」など、納得したようなつぶやきが多く聞こえました。

授業後半には、理解した仕組みをもとに実験で実感していました。

仕組みを理解した子どもは、もっと高く跳ね上がらせたいと考え、追究しています。もう校舎の2階まで跳ね上がらせる子どももいます。今後の追究で、さらに仕組みを突き詰めることで、どこまで高く跳ね上がらせることができるでしょうか。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑪ 2年理科 世界にひとつだけの輝き(いろいろな化学変化)の実践

子どもは、線香花火で遊ぶ中で、「線香花火を自作できないか」という思いをもち、非火薬の線香花火づくりを行ってきました。本時では、ここまで試行錯誤しながら行ってきた線香花火づくりの中間報告会を行いました。

「炭酸カリウムと硫黄と炭素の比によって、でき具合が変わる」

「鉄粉を入れることで火花のようなものが散った」

「本物の線香花火のようにきれいに火花が散らない」

など、ここまでの自分がやってきたことを語り合っていました。

火球をうまくつくれた子どもが実演をすると、教室には

「すごい」「本物みたい」

など、称賛の声があがりました。

しかし、これでは満足せずに、さらにきれいな線香花火を目ざして追究を行っていくそうです。今後の追究で線香花火をきれいにつくる方法に迫り、自分だけの輝きを完成させることができるでしょうか。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑩ 3年音楽科 演歌の花道(創作)の実践

子どもは、「演歌とは何か、どのような特徴があるのだろうか」と興味をもって調べ、オリジナルの演歌を創ってみたいという思いをもって、創作活動を行ってきました。前時までの創作活動で、子どもは、なぜ演歌にならないのか、何が足りないのかわからず困り感を抱いていました。

本時では、何に着目して演歌を創作すればよいのか追究の方向性を決めていきました。

「ヨナ抜き音階を使うだけではうまくいかない」

「ヨナ抜き音階はポップスにも使われているが、応用できないか」

「コードをまだ追究していないが、これを調べることで演歌っぽくできないか」

など、困りごとや、今後追究していきたいことを出し合っていました。

意見交流後、クラスでどのような思いで演歌を創っていくかについて考えてました。今後の追究で、どのようなオリジナル演歌が生まれるのでしょうか。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑨ 2年国語科 千羽鶴(短編小説)の実践

子どもは、「千羽鶴」を読み、感想交流を行いました。その中で、「千羽鶴を折る・送ることは何を表しているのだろうか」という思いをもち、作品を読み直したり、グループ交流を行ったりしてきました。

本時では、ここまで調べを進めてきたことについての意見交流を行いました。

「西村の心情の変化ではないか」

「変化というより、折った人のその時点の気持ちを描写でしている」

「西村だけでなく、由香の心情も表している」

など、本文中の記述を根拠にさまざまな意見が交わされていました。

また、この授業では、何度もグループ交流が行われました。本校では、「自他を見つめる資質・能力」を育む必要性と、育むためのてだてについて考えているとこころです。自分でとことん作品と向き合った考えを、仲間と交流する中で、自分の考えに対する評価をもらい、それをもとに考えを再構築することを繰り返せば、きっとより深まった考えが生まれると思います。今後の授業でも、さまざまなてだてを講じ、その効果を検証しながら、研究を進めていきます。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑧ 1年国語科 笑いを求めて(漫才創作)の実践

子どもは、「漫才は、さまざまな表現方法の工夫によって笑いが生み出されている。自分たちでも漫才をつくってみよう」という思いをもって、コンビを決めて、漫才を考えてきました。

本時では、実際に漫才をやってみて抱いた課題をもとに、「笑いを取るうえでこだわらなくてはならないことは何だろうか」というテーマで意見交流を行いました。

「大きな声で、はっきりと言わないと、見ている人に伝わらない」

「身振り手振りを大きくする」

「台本を覚えなくてはいけない」

など、いろいろな考えを出し合っていました。

その中で、次第に

「見る人が予想できないものを取り入れたらおもしろいのではないか」

「どのような人が見るかで、表現を工夫しなくてはいけない」

など、言葉や表現の工夫に関わる考えが出てきました。

終始明るい雰囲気で授業が進み、子どもが「おもしろくしたい」と本気で関挙げて取り組んでいる様子が伝わりました。

今後、どのように言葉や表現を工夫しながら、漫才を完成させていくのか。これからの追究が楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑦ 2年美術科 デザインの力(公共物のデザイン)の実践

子どもは、「校内にある憩いの杜をどうすればよいのだろうか」という問いに対し、デザインの力で憩いの杜をもっと行きたくなる場所へと変身させたいという思いのもと、各自がアイデアを考え始めました。

本時では、各自がもっている考えやアイデアをもとに意見交流を行いました。

「周囲に木や花を植え、自然豊かな感じにしたい」

「色のはたらきと色彩心理の観点から、色の組み合わせにより感じ方が変わる」

「憩いの杜は卒業記念品だから、設置者の思いを大切にしたい」

など、憩いの杜を附中生にとっての憩いの場になるように考えながら、いろいろなアイデアを出し合っていました。

意見交流後、子どもは設置者の思いを大切にしながら、配色や模様の工夫を考えることの必要感を抱きました。今後の追究で子どもが、附中生が落ち着ける場所になることを目ざして、デザインの観点から追究をしていくそうです。どのような考えに行きつくのかが楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑥ 1年社会科 変わる、変える酪農(日本の姿)の実践

子どもは、給食の牛乳がたくさん残ってしまうという現状から、乳牛を育てている酪農家の現状に影響があるのではないかという思いをもち、これまで日本の酪農の現状について調べを進めてきました。本時では、「日本の酪農はどのようになっているのだろうか」について、意見交流を行いました。

「データを見ると、酪農家が北海道以外では減っている」

「酪農家が減っていて、牛乳離れも進んでいる。牛乳を加工する方向にシフトチェンジしていけばよい」

「加工を増やしても、今度はその加工品が余ってしまい、損害が出てしまう」

など、酪農の現状と牛乳の廃棄量を絡めて、多くの意見が飛び交っていました。

今後の日本を支えていく子どもが、農業の現状について考え、どうしていくべきかを考えることは、未来に向けて必ず有益になるはずです。今後の追究で子どもが、どのような考えに行きつくのか楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告⑤ 2年技術・家庭科(家庭分野) 迫り来るオトナ(消費生活・環境)の実践

子どもは、成人年齢引き下げによって想定されるトラブルや知識不足による不安から、「18歳までにどんなことを身につけるか」という思いをもち、追究を行ってきました。本時では、それぞれの追究した内容を共有して知識を蓄えたり、疑問を解決したりするために意見交流を行いました。

「消費者トラブルを防ぐために、買い物は相談してからするようにしたい」

「知識は身につけられるが、実際の社会経験を積むことが必要」

「おこづかいは働かなくてももらえるから金銭感覚が身につかない。実際に働いてお金をもらう経験がしたい」

など、これまで追究したことをもとに、自分の考えを語っていました。

社会経験を積むことはまだ難しいですが、追究する中で新しく気づくことがまだまだあると思います。まだ追究は始まったばかり。2年生の子たちが大人になるに向けて、今後どんなことを追究していくか楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告④  1年英語科 We Love Our School(This is My Life)の実践

今回は、1年生の英語科の実践を紹介します。

子どもは、「外国の学校について調べ、附中と比較したい」という思いから実態調査を行ってきました。本時では、その共通点や相違点を話し合いました。

「チェコでは、授業が70分間だそうだ」

「アメリカでは、掃除がなく、清掃員がやってくれるそうだ」

「フィンランドでは、テストがないそうだ」

など、外国と附中を比べ、さまざまな意見を英語で語っていました。1年生で、こんなに語れるのかと驚かされました。

たくさん出た意見から、子どもが着目して、今後さらに追究していきたいと考えたのは、行事の違いについてでした。日本にはない行事について、行われている経緯を追究していく中で、新しく見えてくるものがあると思います。今後の子どもたちの追究が楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告③ 1年技術・家庭科(技術分野) キれいに曲げる(材料と加工の技術)の実践

本校では、研究授業シーズンを迎えています。今回は1年生の技術・家庭科(技術分野)の実践を紹介します。

子どもは、身のまわりにある木材を曲げて作られた製品にふれ、木材が曲がっていることに興味をもちました。そして、木材を曲げて、スマホスタンド(下の写真のようなもの)を製作したいという思いをもちました。

本時では、「木材を曲げる方法」について、現状の把握と今後の展望を見いだすため、これまでの個人追究をもとにした意見交流を行いました。

「水に浸して曲げれば折れないが、少しずつしか曲がらない」

「アイロンを使って熱を加えながら曲げた」

「濡れ雑巾で包みながら、アイロンをかけた」

など、さまざまな方法や、その方法の困りごとなどを語り合いました。中には、木材の細胞に目を向けた子どももいました。

まだ思うように木材を曲げられていませんが、本時の話し合いをもとに、今後個人追究を進めていく中で、最善の方法を見いだし、自分が思い描くスマホスタンドを製作する姿が楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告② 1年保健体育科 Drop and Catch!「チュックボール」の実践

今回紹介するのは5月27日(金)に行われた1年生の研究授業についてです。

子どもは、チュックボールという競技に出会い、体験をしてみる中で、「作戦を考えて、試合に勝ちたい」という思いをもって、取り組んでいました。本日は、これまで考えてきた作戦を実行しながら、試合とチームタイムを繰り返し行いました。

 

試合では、楽しそうに取り組む様子、負けて悔しがる様子など、チュックボールと向き合う姿が多く見られました。チームタイムでは、作戦ボードに集まり、作戦を確認しながら、次の試合の動きを考えていました。

「相手が投げたボールを取れるように動き回る」

「自分のチームは右側から攻撃されて失点することが多いから、守備は右側を意識しよう」

「どちらに投げるかわからないようにフォーメーションをとろう」

などの作戦を各チームが考えていました。

子どもたちは、本時の授業を経て、どのような問題をもったのでしょうか。その問題を解決するために、今後も試合やチームタイムに取り組んでいき、チュックボールの本質に迫っていってほしいと思います。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)

 

 

報告① 3年社会科「プラスチックとつくる未来(私たちの暮らしと経済)」の実践

今年度は「躍動 -自他を見つめ、志をもって歩み続ける子ども」の研究2年次です。

「志」とは何か。「自他を見つめる資質・能力」とはどのようなものか。それらを職員全員で共通理解を図りながら、実践を進めています。先週から多くのクラスが追究単元に入りました。

 

今回紹介するのは5月26日(木)に行われた今年度初の研究授業についてです。

子どもは、プラスチックごみの影響に関心をもち、調べていく中で「日本はプラスチックごみ削減をどのように進めるべきか」という問題を見いだし、追究をしてきました。本日は、その問題についての意見交流を行いました。

「マイクロプラスチックごみの大きな原因となる自動車タイヤのカス回収について取り組むべきだ」

「藻でマイクロプラスチックを回収できるらしい」

「規制をしても、消費者意識が変わらなければだめだ」

「水族館にマイクロプラスチックによる海洋汚染を知るプログラムを入れってもらってはどうか」

など、自分が追究してきたさまざまな視点について語っていました。また、仲間の意見をもとに、自分の意見を見つめ直し、発言する姿もありました。

子どもたちは、この単元をとおして、マイクロプラスチックを減らすためのどのような志をもったのでしょうか。この志をもとにどのような行動に移していくのか楽しみです。

(文責:研究主任 岩脇 芳弘)