もう一度、見る ①
(短編小説「東京花火」吉田修一著)

 

数年後の未来に思いを馳せる……。どんなふうに歩んでいこうか。そんなことを考える中で出会ったのは、コロナ禍の東京を舞台に描かれた「東京花火」という作品でした。

読んでみると、主人公の「『東京』とは、一体どこにあるのだろうか」という問いが、物語の冒頭と結末に二度繰り返されていました。これはなぜなのかが気になり、仲間と意見交流する中で、主人公の「東京」の捉えや思いが変化していることに気づきました。でも、現段階では、その変化の度合いや、どんなふうに変化したのかを、まだはっきりと言語化できません。そこで、臨場感のある最後の場面の描写に、その鍵があるのではないかと考えました。「最後の場面は、何を描いているのだろうか」。これを追究していくことで、きっとこの作品が読み解け、核心に迫っていけると思っています。

もっともっと「東京花火」を味わっていきたいです。